行政書士としての成長戦略 個人か?組織化か?
行政書士の基本的なビジネスモデルは「忙しい本人の代わりに、書類を作成して、役所に提出すること」です。
書類作成に関する相談にも乗れる。
いたってシンプルな形態です。
シンプルがゆえに、資格さえとれてしまえば、だれでも同じように商売ができてしまうため、同業先生との差別化が難しい業界です。
8割だか9割だかがまともに食えてない、と言われる世界なので、普通に考えて、他の人と同じようなことをしていたら、食える訳がありません。
開業して1年程度ですが、この点どうしたものかな、と考えることは多いです。
思考を整理するために、書士界隈で言われがちな「専門特化」「なんでも屋」「単独」「雇用」で4象限に分けてみました。
(wordpressと表作成の勝手が異なるため、普段以上に簡素です)
専門特化 | 何でも屋 | |
単独 | B | A |
雇用 | C | D |
これで見るとだいぶスッキリします。
A療育 バタ貧→ベテラン化
資格取り立ての場合、たいていはA領域からスタートします。
1人で「来た仕事はなんでもやります」という状態であり、マーケティングがうまくいかないと「貧乏暇なし」に陥る領域です。
最初はどんな仕事が飛んでくるか分からないですが、いろいろこなしていくうちに「偏り」が出てきて、いくつかの分野に専門特化していくのが通常の流れかと思います。
逆に、この領域でひたすら来た仕事はなんでもこなすことで「ベテラン化」も狙えるかもしれませんが、知らない仕事が来るたびに一から調べたり、各分野の知識、ノウハウが蓄積されにくいため、石をければ行政書士にあたる、と言われるくらい行政書士が多くいるこのご時世において、早急に脱却するべき領域です。
ただし、来た仕事はなんでも受けます。というところから、便利君としてキャリアを積み、そのままベテラン化を狙う、という進路もありえそうです。
人脈も増えそうなので、戦略として検討する余地はありそうです。
交通費、交際費が多くかかるため、6か月以上無収入でも耐えられるだけの資金が必要です。
B領域 専門書士→コンサルタント化
特定の業界の実務経験を活用する場合はB領域です。
1つから数種類の領域において、知識、実務経験を深めていく路線です。
業界実務経験、解決法を習得するなどして、専門分野を起点としたコンサルタント化を目指す道です。
C領域:専門書士→行政書士法人化
純粋に行政書士として活動していくなら、この領域を目指すのがセオリーだと予測しています。
取り扱い業種を絞ることにより業務を効率化して、スタッフで処理できるようにしたうえで、代表自身はマーケティングに専念 or 外部事業を始める。
某おさむらい法人様が提供する事業形態ですね。
僕の現時点がBもしくはCに立たされている段階であり、専門分野で人を雇って、組織化するか、コンサルタント路線に突き進むか、どちらかになります。
※組織化させつつ、代表である僕自身はコンサルタントとして動く、というハイブリット型もありえますし、そのほうが手続き案件も取得できるような気はしています。
D領域:ベテラン事務所 or 火の車事務所化
専門業種を絞ったとして、少しずつ他業務も増やしていけば、結果的になんでも手続きをできる事務所となることができます(ベテラン事務所化)。
行政書士として一番理想的な組織形態かもしれません。
段階を得ずにこの領域を目指そうとすると、未知の分野が飛んでくるたびに対応に追われるため、慢性的人手不足になる可能性があるんじゃないかと危惧(杞憂)しています。
純然たる手続き業務につき、単価は相場「低~中」あたりにも関わらず、リサーチ、書類作成などの要員として人手が多く必要となり、人件費がかさむ。
毎月かつかつで回す「火の車型」になる危険性があります。
ただし、このように「来るもの拒まず精神」をもった行政書士法人の存在も、経営者様からしたらありがたいので、存在価値はありそうです。
このような区切り方をした場合、僕自身のキャリアパスとしては、専門特化からの行政書士法人、コンサルティングのハイブリット型に関心があります。
ただし、この象限を別の切り口から考えると、また違ったキャリアパス・戦略が見えてきますが、別記事に預けます。