行政書士の業態考察

行政書士をビジネスとして考える

行政書士としての成長戦略 手続きか?新規事業か?

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 行政書士として活動を続けると「将来どうしていこうか」という将来の不安に襲われるタイミングがやってきます。

ここで高単価業務とかコンサルタント化的なセミナーの誘惑が強くなるのもこの時期でです。僕はこの手ものは真っ向から否定する気はありません(見解語ると長くなりますが)

 そうでなくとも「手続き特化か、はたまたその他の路線を目指すべきか」僕のような業界新参者は、この視点をもって開業したほうが、孤独や不安に押しつぶされそうになったときの指針になるはずです。

 

前回、行政書士として個人路線か組織路線、どちらを狙っていくべきかを考察してみました。

僕としては「手続き業務を組織化させたうえでの個人路線化」を仮説として、この1年をなんとか回してみたいと考えています。

syoshikawa0703.hatenablog.com

 

ここで、↓のような図を考えてみました。

図: 行政書士キャリアパス分類

  専門特化 何でも屋
単独 B A
雇用 C D

 

 

図のとおり「専門特化」か「なんでも屋」を目指すか。「雇用をするか」「組織化」するか。

という切り口に基づく表です。

 

これは、たとえば「行政書士」か「他事業の設立」か。「顕在ニーズ」か「潜在ニーズ」かという切り口からでも論じることができます。

 

図: 行政書士キャリアパス分類

  潜在ニーズ 顕在ニーズ
行政書士 B A
新規事業 C D

 

 

A領域は王道の事業モデルです。

行政書士として、外国人ビザや建設業許可、風営法など既存の領域を攻めていく方法です。

ちょっとググればすでに大御所先生方による競争激化をされている領域です。

この点をせめていくのであれば、アナログ営業で、まずは軽微な相談、提案、届出作成などから仕事を取って顧客と接点を築くことをしていくと良いのかもしれません。

あるいは他士業に顔を売って、御用聞きに徹底するなど。

 

 

B領域は情報感度を高めていくことで未知の領域を探していく戦略です。

ただしドローンや民泊、相続で言えば家族信託のように、結局誰かが目を付ければすぐに大量に同業者が流れ込むので、すぐにレッドオーシャン(競争の激化)になります。

 

ただ、30年9月の時点では、そこまでの脅威でないと考えています。

なぜならレッドオーシャンではあれどもA領域化=王道業務化されてはいないためです。

潜在的顧客からもまだ業務として認知されていないか、士業側もビジネスモデルとして確立しかねているため、うまいことやれば競争激化はしていれども、業務としては成立するんじゃないかなと思っています(憶測ですみません)。

 

そもそもニーズ自体がない可能性はありますが。

ここはどのように手続き商品としてパッケージングできるかにもかかっていそうです。

 

 

C領域は、顕在ニーズにたいして行政書士外サービスを提供していく戦略です。

既存の先生だとHP開発、セミナー屋、ジョイントビジネスなどが一般的です。

資格要件の必要な業態については「人材紹介」や「物件紹介」などもできれば強いかもしれません。

業法の問題は遵守前提ですが。

 

そしてD領域は、潜在ニーズにたいして行政書士外サービスを提供していく戦略です。

ガラケーが全盛期の時代にiPhoneを開発して、実際に販売し、普及させていく手法です。

士業というよりも事業家としての発想が要求されます。

手段としては、新規事業の開発もしくはコンサルタント(潜在的課題の解決策を提案)が考えられます。

 

開発労力はすごそうですが、実現できれば間違いなく行政書士(個人事業)として仕事には困らなくなるとみています。

 

「どこを目指しても良い」 

 断っておくと、絶対に全員がDを目指すべきだ、という話ではありません。

相談を受けた業務は何でも対応してバリバリこなす、プロフェッショナル型の行政書士先生も貴重ですし、業種特化して業務をこなしているうちに顧客の潜在ニーズが見えてきて、そこに対する問題解決に取り組んでいきたい、となるかもしれません。

 

このあたりは実際に業務に取り組む中で向き・不向き、自分の気持ちがどんなところで“上がる”のか、など様々な要素から検討していくことになります。

 

そもそも、開業時点からこの点を意識することは不可能です。

ただ、ざっくりとした見通しをもっておくと、何かあったとき不安にかられることは少なくなりそうです。

先生方はどのような戦略を考えて事業に取り組んでいらっしゃるのでしょうか。